
アテネで生活していると、なくてはならないのが‘車’。もちろん、街の中心部に住んでいたりすればその必要もあまりないのかもしれないけれど、我が家のようにちょっとだけ郊外・・・って事になると、もう車なしの生活は考えられない!って感じなのです。だって、最近はメトロの駅が増えたり、トラムが開通したりはしたとは言え、それだって一部の地区だけに限られているし、この頃人気の大型店(スーパーマーケット、家具屋、電器屋など)だって、車がなきゃ行けないところばっかりだし。
ただし、実は私、この歳(30代後半)になるまで、‘車の運転’というものをした事がありませんでした。そもそも車というもの自体に全く興味もなかったし、‘一生車の免許なんてものは取らない’という訳のわからないポリシー(?)まで持っていたわけです。
そんな私ですら、とうとう‘もう車の免許を取るしかない!’と決断し(詳細はこちらの
ブログをどうぞ。)、今年の3月何とか免許を取得。運転歴はまだわずか半年ほどだけど、まあ、‘車のある生活’ってものは何と便利なものか!‘こんな事ならどうしてもっと早く免許取っておかなかったんだろ?’ってちょっと後悔。・・・とは言っても、ギリシャ人の運転マナーの悪さったら半端じゃないので、今でも毎回運転する時はドキドキの連続なんだけれど。
ギリシャで免許を取るのは、日本より随分楽チン。「学科教習」は45x20回、そして「技能教習」(→いきなり路上に出ます。)も45x20回だけ。それなのに、私にとってはホントにしんどい体験でした。(歳のせい?それとも元々才能がない?又はその両方?)
学科の方は、もちろん全てギリシャ語。日本語でだってチンプンカンプンな用語などを、ギリシャ語で教えられたって全くわからないー。何しろ、‘クラッチって何?’のレベルでしたから・・・。それでも、必死に勉強して、こちらの試験は満点で合格。正直、これまでの人生であんなに勉強したのは始めて・・・って位がんばって、試験前日は完徹し、目を充血させたまま試験会場へ。――― 今思い返せばちょっと笑える状況だけど、きっと、それくらいやらなきゃ絶対受かってなかっただろうなぁ。合格がわかった時は、中学受験して受かった時よりも嬉しかったし。(ちなみに、50人位試験を受けた中で、10人くらいは不合格でした。)
ただ、ギリシャの場合、言葉に自信のない人は英語などの通訳を頼み(料金は150ユーロ位)、試験中、横で問題を訳して貰う事も可能だそう。(通訳によっては、間違った答えを見つけたら、机の下で足を蹴ってくれて(笑)、さりげなく教えてくれる人もいるとの事。)それから、私の教官の話しによると、今年の春あたりから、英語、ロシア語、アルバニア語などに訳された試験を受ける事ができるようになったらしいです。きっと、それだけギリシャに住む外国人の数が増えていて、多くの人が車の免許を取る必要性に迫られている・・・って事なんでしょう。
さて、私にとって最大の頭痛の種だったのは「技能試験」の方。教習を受けている時、何度挫折しそうになった事か。実際、‘もう辞めよう!’と思って、1ヶ月以上も教習を受けなかったりも。
さっきも書いた通り、ギリシャの「技能教習」はいきなり一般の路上で行われます。私の場合、先生が自宅の前まで迎えに来てくれて、そこから90分間(45分x2回分)のレッスンが始まるわけだけど、しょっぱなから60度はあると思われる坂道発進しろ!って言われたって、ちょっと困っちゃうでしょう?それに、我が家の周りにはやたらと一方通行の道が多い為、大通りに出るまでに、やたらと狭い道、それも両側には車がずらーっと停めてある道を通らなきゃならないんだもの。本当に冷や汗タラタラ。まあ、そのお陰で、今は坂道発進も、狭い道を通るのも大得意になったからいいけれど。(私の場合、平らな道でのエンストは何百回とあったけど、坂道発進ではほとんどありません・・・。)
しかし、こうしてようやく「技能試験」にこぎつけたけど、それにもちょっとした裏話(?)があるのです。
ここでの「技能試験」って言うのは、試験会場に行きそこで待機していると、後ろの座席に2名試験官が乗り込んできて、その近辺を走らされたり、縦列駐車やUターン(?)などをやらされたりするのですが(所要時間およそ15分)、実は私、自分ではなーんにもやってません。その間、やっていたのはハンドルを握っていただけ。実際にアクセル、クラッチを操っていたのは、横に座っていた教官だったのです!
つまり、試験官にいわゆる‘裏金’をつかませて、不正の試験をやって貰ったって事。一応、自己弁護の為に書いておくと、この日同じ試験官に見てもらった4名(私を含む)の内、裏金を払った3名は合格、払わなかった1名は不合格という結果。それに、私自らそう希望したわけじゃなく、教官の指示でそうなっちゃったわけだから(これについては、教習所の申し込みに行った時に既に聞かされていた)・・・。
これを読んだ方々は、きっと‘ギリシャって全く何て国なのー?’と驚かれるかもしれないけれど、事実、「技能試験」の方はある程度お金を積んで取る・・・っていうのもかなり一般的な様。(でも、その額は、試験官と教官によって随分異なるみたいです。)
そうは言っても、この先ずーっと私の心の中には、‘裏金で取った免許’っていうのがこびりついていくんだよなー。と思うと、かなり複雑な気持ち。(不正←あくまでもこれにこだわる)試験中、‘へーっ、君は日本から来たんだ。日本ってどんな国?’と始まり、その後、私を完全に無視して、勝手に日本について討論をし始めた教官、そして試験官達よ。貴方達の事は一生忘れません!
・・・という感じで無事(?)に免許を取得した私ですが、やっぱり車のある生活は便利。それに運転って楽しいし。今では、車なしでの生活は考えられない毎日なのです。免許をこの手にするまでは色々あったけど、結果的には思い切ってトライしてよかったかな。
それでは、アテネでの車ライフについては、また今度。